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2021-12-15
蘇州古鎮、人を酔わせる美しさ

蘇州の美しさの真髄は、庭園、古鎮、民俗にある。江南水郷の代表的な存在である蘇州、江南水郷は長江中流の南に位置し、温暖な気候と豊富な降雨量が、この地に繊細な美しさを与え、静かな水、柔らかい歌声が、幽雅な都市を作り上げた。

  • 中国第一水郷・周庄

周庄は、「中国随一の水郷」としての名高く、悠久の歴史を持つ江南水郷の典型的な風貌と独特の人文景観を持つ。冬の周庄寒く、賑やかさには欠けるが、空に掛かる月の光が、水が流れるように大地を照らし、人々に安らぎと心地よさを与えてくれる。

周庄に入ると、まず目に映るのは有名な観光地——双橋である。橋の倒影と湖面に反射する姿が、完璧な円を描き出し、その形が昔使われていた鍵に似ているので別名「鍵橋」とも呼ばれている。 非常に印象的な風景を持つ双橋から眺める風景は絶対におすすめ。

周庄に来たら張庁にも足を伸ばしてみよう。張庁は周庄鎮では珍しい明代建築物で、敷地は1800平方メートル、部屋数は70以上と広大で、壁には対聯が貼られ、「橋従前門進,船自家門出」と書かれている。 これは張庁では船が河道を通って裏庭に入る事が出来るという特徴を説明している。

  • 精緻で細やかな同里

同里では至る所に水がある。 水がある場所は冬でもどことなく優しさを感じる。同里の古称は「富土」と呼ばれ、宋時代に造られ、現在まで1000年以上の歴史が経過している。午後、歩き疲れたら茶屋に入り、美味しい中国茶とお菓子を食べながら、ゆったりと同里の水と美しい景色を味わってみよう。この地では水は派手さを吸収し、人を質朴にし、そして人に生活を与えた。 同里では浪漫と精緻が絶妙に融合している。

同里古鎮にある退思園は非常に独特な風格を備えた建築物である。文化の香り漂う退思園は、清王朝の光緒11年から13年(1885 - 1887年)かけて建築され、東屋や各部屋、廊下は非常に幽雅な作りとなっており、時間を掛けて鑑賞するに値する。退思園は大きくはないが、園中にある太湖石、花木が山水画の小世界を作り上げており、精巧な芸術作品となっている。

同里古鎮の街道の間には、「弄堂」という独特な生活様式がある。 「小巷」も呼ばれるこの様式は、人々が生活する家々の間を狭い小路がくねくねと巡っている事を指す。 小路は日当たりが良く曲がり角では明暗が交わり、杖を頼りに散歩する老人や、軽快な足さばきで青春を謳歌する若者と各年代の人々が場所と時間を共有して生活している。

  • 悠久の歴史を持つ甪直古鎮

甪直古鎮は、蘇州と同じく2500年以上の歴史を持つ中国水郷の代表的な古鎮である。総面積は75平方キロメートル、水陸共に交通が便利で、重厚な歴史が蓄積されている。甪直古鎮の広場には「甪端」という中国神話に登場する魔除けの神獣の彫刻がある。

万盛米行は甪直古鎮にある老舗店で、民国1912年に開業。米行の特徴は「前店後場」と言われ、前は商売をする店で、後は米の加工工場と食糧を蓄える大規模な貯蔵倉があった。

保聖寺は、甪直鎮にある寺院で、1500年以上の歴史を持つ。寺内の二山門の中で、天王殿は特に名高く、江南仏殿の風格を体現している。天王殿から北へ行くと庭園があり、庭中にある二つの文化財、青石経幢と鉄鐘は悠久の歴史の至宝とされている。

蘇州の古鎮は、中国に多くある古鎮の中でも最も詩情があり、静謐に満ちている。 周庄の独特な景観、同里の水、甪直の歴史と、様々な古鎮などを感じ取ることが出来だろう。 この特別な風景を見に蘇州を訪れてみよう。